むし歯治療・一般歯科

Cavities treatment

むし歯の予防と治療

むし歯の正体を知る

むし歯は、単なる「歯が溶ける」現象ではありません。実は、お口の中で日々起きている「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れることで発生する病気なのです。

お口の中で起きていること

私たちの口腔内には約700種類もの細菌が存在しています。その中でも特に「むし歯菌(ミュータンス菌など)」と呼ばれる細菌は、食事の糖分から酸を作り出します。この酸が歯の表面を溶かしていく作用を「脱灰」と呼びます。

しかし、人体には自然な防御機能があります。唾液には酸を中和し、溶けかけた歯を修復する「再石灰化」という働きがあるのです。健康な状態では、この脱灰と再石灰化のバランスが保たれています。

Cause

むし歯になりやすい4つの要因

むし歯のリスクを高める要因は、主に4つあります。

  1. 細菌の存在
    • 磨きが不十分で、むし歯菌が多く存在している状態
  2. 歯の質
    • 生まれつきの歯質や口腔環境により、むし歯になりやすい状態
  3. 食事の内容
    • 糖質の多い食事を頻繁に摂取する習慣
  4. 時間的要因
    • 上記3つの要因が重なる時間が長い状態

これらの要因が重なると、むし歯のリスクは著しく高まります。

むし歯の進行段階を知る

歯は外側から「エナメル質」「象牙質」「歯髄」という3層構造になっています。

むし歯の進行状態は、この構造のどこまで達しているかで判断されます。

  • CO(初期段階):まだ実質的な損傷はなく、適切なケアで回復が可能
  • C1:エナメル質までの進行
  • C2:象牙質に達した状態
  • C3:歯髄(神経)まで到達
  • C4:神経が死んでしまった状態

Early detection

早期発見・早期治療

早期発見・早期治療の重要性

むし歯は進行するほど、治療が複雑になり、時間も費用も多くかかるようになります。さらに重要なのは、進行したむし歯は歯周病のリスクを高め、最悪の場合、歯を失うことにもつながります。

特に注意が必要な根管治療

歯髄まで進行したむし歯(C3)は、激しい痛みを伴い、根管治療が必要となります。これは、歯の神経や血管が通る細い管(根管)の中の壊死組織や細菌を除去する高度な治療です。

根管治療とは

根管治療とは、虫歯などで傷んだ歯の神経(歯髄)を取り除き、細菌を除去する治療です。

専用の細い器具を使い、歯の根の部分(根管)をきれいにしてから、再び細菌が入らないように密閉します。歯をできるだけ長く残すために、とても重要な治療です。

根管治療が必要なケース

次のような症状がある場合、根管治療が必要になることがあります。

  • 虫歯が進行して神経まで達している
  • 歯が欠けて神経が露出している
  • 何もしなくてもズキズキ痛む
  • 冷たいものや熱いものがしみる
  • 噛むと痛い
  • 歯ぐきが腫れている

なぜ根管治療が大切なのか?

適切に治療しないと、虫歯が再発したり、炎症が広がって歯を失う原因になります。精密な処置を行うことで、歯の寿命を延ばし、健康な口腔環境を維持することができます。

また、感染を放置すると、痛みや腫れがひどくなり、最悪の場合、抜歯が必要になることも。早期に治療を受けることで、歯を残せる可能性が高まります。

根管治療は、歯を守るためにとても重要な治療です。早めの治療が成功のカギとなるので、気になる症状があれば、できるだけ早くご来院ください。

Policy

当院の治療方針

MI治療による歯の保存

当院では、MI(Minimal Intervention)の考えに基づき、必要最小限の治療で最大限の効果を目指します。これは「本当に悪くなった部分だけを最小限に削除して修復する」という考え方です。

1度削った歯は元には戻りませんし、抜けてしまった歯を元に戻すことはできません。

そのため当院では

  • 極力歯を削らない
  • できる限り抜かない
  • 歯の寿命を最大限延ばす

という方針で治療を行っています。

予防のためにできること

むし歯予防の基本は、リスク要因の管理です。

  1. 適切な歯磨き習慣の確立
  2. 糖質の摂取頻度のコントロール
  3. 定期的な歯科検診による早期発見

まずは当院での口腔環境チェックから始めましょう。あなたの口腔状態に合わせた、最適な予防プログラムをご提案いたします。